神様なんて信じない僕らのためにに既に書いてあるのですが、補足。
通称がややこしくてこの呼び方は廃止したほうが良いと思うのですが、これだけ浸透すると無理っぽい。パタヘネがコンピュータの構成と設計で、ヘネパタがコンピュータアーキテクチャですね。コンピュータの構成と設計は覚えにくいからパタヘネは分かるけど、ヘネパタの方は普通にコンピュータアーキテクチャって呼べば良い。コンピュータアーキテクチャと言えばこの本できまりです。本に書かれている著者名順で略称を変えています。
歴史的には、まずコンピュータアーキテクチャの方が先に書かれました。内容が大学生には難しい所もあり2人の先生でもう少しコンピュータの仕組みを中心に書き直したのがパタヘネです。2つの本で章立てが対応しており、パタヘネを書くときに執筆担当をお互いに入れ替えることで、内容のバランスを取るという素晴らしい試みがあるのもポイントです。
内容は、コンピュータアーキテクチャはそのタイトル通りコンピュータの性能をどのように定量的(Quantitative)に評価するかを中心に書かれており、パタヘネはパイプラインの仕組みやキャッシュの実装方法などプロセッサの実装方法の基礎について書かれています。またパタヘネは、サブタイトルにハードウエアとソフトウエアのインタフェースとあるとおり、プログラマから見て知っておきたいことが丁寧に解説されています。パタヘネには、プロセッサ内部の浮動小数点の表現方法や、ハードウェアによる割り算のアルゴリズム等が詳しく書いてありますが、コンピュータアーキテクチャの方は、あまりそういうことは書いてありません。バイナリアン的面白さを求めるならパタヘネだけ読めば十分です。コンピュータアーキテクチャは、自分でプロセッサを設計して性能を評価したいとかそういう人向けです。日立のSHプロセッサを開発するときに、開発陣でコンピュータアーキテクチャを輪講したのは有名な話。
プログラマが読んだ方が良いのはパタヘネ、バイブルとか呼ばれるのはコンピュータアーキテクチャ(ヘネパタ)。ヘネパタ読め、と言っている人は2つの本を間違っているか読んでいない可能性が高いです。(もちろん、ちゃんと読んだ上で薦めている人もいます)
そんなきむら(K)さんに朗報が。
AO diaryさんによると、既に第4版の翻訳作業が始まっているようです。
http://www.hpcc.jp/swopp-announce/msg01757.html
すぐに読む必要がないのであれば、首を長くして翻訳を待っても良いと思いますよ。