バッドノウハウ
オープンソース開発ができる日本の会社の私のコメントについて
新しい設計手法がWorld Wideで盛り上がっているのと、日本の半導体設計がきついのは両方真とか、わざと面白そうな所だけ書いているとかそういうのを抜きしても気になったのが一点。
> いいですなぁ,バッドノウハウがほとんど無い世界ですからね.
むしろ自分が作ったところがどんどんバッドノウハウ扱いになっていく世界。
当時はこうだったんだとか、そんな重要だと思ってなかったとか、何も考えてませんでした、とか言い訳はいっぱいあるんだけど、「何でこうしてあるのか?」が直感的に分からず、設計者本人が見ても明らかにおかしいものを引き継いでいかないといけない辛さがある。それも自分が引き継ぐのではなくて、ユーザーや同僚にそれを受け入れてもらわないといけない。新しい世界で物を作るって事は、バッドノウハウの生みの親になる事から避けられない。これって、バッドノウハウだよね~って苦笑する立場から、苦笑される立場になるって事。そしていったんプロダクトとして、リリースされてしまうと、それらの修正はまず不可能だ。プロダクトの終焉まで引きずらないといけない。
クリティカルな誤りなら直せるんだけど、我慢すればなんとかなるってのはずーっとバッドノウハウとして残る。これは技術の話ではなく、純粋にビジネスの話。Joelのエッセイも参考に。
というわけで、バッドノウハウと呼ぶときには愛を込めてください。しょうがないなーって笑ってやってください。
こんな風にに怒らないでください。
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Comments
トラックバックありがとうございます.
>> むしろ自分が作ったところがどんどんバッドノウハウ扱いになっていく世界。
僕も一応,かなりまっさらな所で一から研究を進めている,(そのぶんツライことも多いのですが) かなり恵まれた立場の大学院生なので,この気持ちは非常によくわかります (^o^;
やはり,ほとんど羅針盤や比較基準が無い世界なので,自分一人で独善的に進めていると,どうしても詰めが甘くなったり,目先の手抜きを考えてしまって
>> 当時はこうだったんだとか、そんな重要だと思ってなかったとか、何も考えてませんでした、とか言い訳はいっぱいあるんだけど、「何でこうしてあるのか?」が直感的に分からず、設計者本人が見ても明らかにおかしいものを引き継いでいかないといけない辛さがある
となって後々ニッチもサッチもいかなくなってしまいます.そうならないためにも,ボスを初めとして,いろいろな人と対話しながら,なるべく客観的に妥当性を確かめつつ方針を決め,設計や実装を進めて行くことの重要性を日々噛み締めては反省の繰り返しです (苦笑) 他者へのアウトプットとコミュニケーションは本当に大切ですよね.当たり前すぎますし,わかっちゃいるのですが,なかなか…
>> というわけで、バッドノウハウと呼ぶときには愛を込めてください。しょうがないなーって笑ってやってください。
そうですね,まさしく明日は我が身です.了解です.なつたんさんの優しさが伝わってきました (^o^)
Posted by: あろは | 2007.06.14 08:06 PM
あろはさん、こんにちは
いつも楽しくblogを拝見しています。
> となって後々ニッチもサッチもいかなくなってしまいます.そうならないためにも,
> ボスを初めとして,いろいろな人と対話しながら,なるべく客観的に妥当性を確かめ
> つつ方針を決め,設計や実装を進めて行くことの重要性を日々噛み締めては反省の繰
> り返しです (苦笑)
成功したプロダクトを見てみると、そこは突っ切った方が良いような。
達人プログラマで言うところのtracer bullet、Paul Grahamなら油絵を書くように、
まずは人の言うことなんて耳を傾けず動くところまで持って行った方が、気がつくことも
多いです。あとは、他の人の意見を聞くときにも、「ここまで動いている」ってのが
あった方が、良いコメントをもらいやすいってのもあります。
あろはさんのblogでは、GCC周りといろんな言語の比較の話がとても参考になっていま
す。Academicな話はエンジニアから見ると視点が違っていておもしろいです。もし、
FPGAがらみで分からない事があれば、blogに書いてください。アドバイスできると
思います。
Posted by: なつたん | 2007.06.15 07:57 PM