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2007.06.27

CとGNU開発ツールによる組み込みシステムプログラミング

CとGNU開発ツールによる組み込みシステムプログラミング読みました。

全体的に教科書のような感じで、読みやすくかつ丁寧にまとまっていました。ソフト、ハード、それらを取り巻く環境まで浅く広く説明してあります。一つ一つの項目は浅いですが、さらに詳しく知るためのリファレンスも充実しているのでそれほど問題にならない。

組み込みの世界に入ってきた新人への最初の一冊として、僕の知る限り一番良い本。これだけ綺麗にまとまっている本を僕は知らない。あまりにもないから、自分自身で同じようなことをまとめていたことがあるくらいだ。こういうところをまとめることで、新人への教材になるだけでなく、ソフトとハードの人の相互理解につながると思っていた。

例えば回路図の基礎で抵抗、コンデンサなどの部品は当然載っているとして、オフページコネクタや、ジャンクション、ネットラベル、ピン番号まで説明がある新人の時にこの本があればどれだけ怒られずにすんだか、と苦い思い出がよぎる。ハードウェアの初期調査として、電圧の確認、クロックの確認、リセットの確認と順を追ってデバッグすることもちゃんと書いてある。プロセッサの教科書にはこんな事は載っていないし、CQ出版の記事はそんなことは知っている人に向けて書いてあるから、こちらも載っていない。

正直この本の日本版がほしい。リファレンスの書籍は日本人が書いた本にして、
eCosのサンプルはuItronがふさわしい。cyg_thread_create()よりも、cre_tsk()の方が良いでしょ。プロセッサもARMよりはSH2だ。次の一歩に進むときに、日本語の書籍もあるしなによりデータシートが日本語、これは大きい。

翻訳のレベルは一部を除き十分高く普通に読める。ハードに近いところは首をかしげる表現が多い。全体が良いだけに少し残念。

p43から、
「高位、低位」というのはlevel high/lowを訳したんだろうけど、論理H/Lとか、H/L出力とか、単にH/Lで良い。設定/消去も、set/clearがペアで使われるときは、セット/クリアーで良いと思う。丁寧にかくのなら、1にセットする/0にクリアーするだ。GPIOの設定で「0=ピンは入力として設定されている」は、日本語の資料だと「0=ピンを入力として使用する」になる。

割り込み信号(p140)の「上昇/降下」は、立ち上がり/立ち下がりだ。割り込み信号が上昇だと全く通じない。

ハード以外の部分は、普通に読みやすかったです。ニッチな所でそんなに売れるとも思えない本を訳していただいた訳者に感謝します。


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