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2005.12.02

デザインウェーブ12月号

結構でっかくUMLの特集をしているけど、内容としては
いまいち。UMLを使う理由が明確に書かれていない。
UMLってこんな感じだよという「入門の入門」レベルだ。

そもそもUMLっていうのは、UML内にクラス図が入っている
ようにオブジェクト指向の設計に向いている。今月の
記事でも、クラス図の説明に3ページほどさき、最重要モデル
とまで書いてある。

SystemCの記述を見たことがあるのかと小一時間問いつめたい。

SystemC自体はC++の機能を使っている。しかし、実際の
論理合成可能な部分というのは、どうみてもCソースだ。
せいぜいiteraterが使われるくらいで、継承とか仮想関数を
駆使した可読性の高いサンプルソースなんて見たことない
ですよ。Menterの人にも確認したけど、STLなんて夢のまた夢。
つまり、クラス設計みたいなフェーズは、せいぜいテスト
ベンチの話であって、LSI自体の設計においてはそれほど
重要ではない。

サンプルの記述も、上から下、左から右にシーケンシャルに
処理するばかりで、こんなのUML使うまでもないじゃん
てレベルだ。

UMLを使う一番のメリットて「いろんなレベルのエンジニア
が見ても意志が疎通できる」って事だと思う。
だとすれば、ハードウェアの設計には、ブロック図、タイ
ミングチャート、状態遷移図という、歴史もありエンジニア
レベルで意志の疎通が図れる道具が既にある。
UML中心に設計するのではなく、今ある道具で足りない部分を
UMLで補うスタンスの方が良いと思う。
次はそういう視点でのUMLの記事が読みたいと思った。

とはいえ、FIRフィルターの設計の時に仕様書の代わりに
Cのソースのみがでてくることもあるので、UMLも勉強し
ておこうと思う今日この頃。

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